BAR


カナダでのリタイアメント: はじめに

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

リタイアメント

多くの人にとっては「リタイアメント (引退、または定年)」と聞いても、まだまだ「遠い未来」のことと考えてしまうのが一般的でしょうか。例えば、20代、30代、40代...の現在、晴れてカナダの永住権を取得して、まさにこれからカナダでの生活と経済的な基盤とを築いていこうとしている時に、「老後の生活」と言われても、現実的な事として捉えられないというのもわかります。しかし「リタイアメント後の収入源」について、延いては「引退後、仕事をしていなくても生活できる」ことを実現する為の準備については、やはりある時点で考えなくてはいけません。そしてそれは間違いなく、早ければ早い程良い (多くのメリットがある) のです。

カナダの年金制度

カナダの年金制度は、Old Age Security (OAS)Canada Pension Plan (CPP)Registered Retirement Savings Plan (RRSP) の三本柱で成り立っていると言われます。このうちOASとCPPは、いわゆる公的年金。大雑把に言ってしまうと:
  • OASは、65歳の時点から、それまでのカナダでの居住期間に比例した額が支給される公的「老齢年金」制度
  • CPPは、65歳の時点から受給資格を得ることができ、給与所得があった期間にCPP保険料を収めていたことを前提に、給与額とその期間に比例して支給額が決まる、公的「退職者年金」制度
ということになります。

カナダは、北欧などによく見られる極端な「福祉国家」ではありません。政府が管轄するこれらの社会保障制度からの公的年金支給額のみでは、老後の生活のための十分な収入とはなりえません。また、日本の国民年金制度、あるいはアメリカの社会保障制度と同様、常にその制度の将来性と持続性には疑問符が付き纏います。さらに、カナダでの居住期間や就労期間など、既に自らの努力ではどうにもならないファクターが、支給額を左右するベースになっているということも理解する必要があります。
そこで三本目の柱、私的/個人年金であるRRSPが、個人でコントロールすることができ、最も重要かつ最もその仕組みをしっかりと理解すべき年金制度となるわけです。