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カナダでのリタイアメント: RRSP: 拠出限度額

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

RRSP の拠出限度額

晴れてRRSPへの拠出ができる環境が整ったとして、次に熟慮するべきはその拠出額です。自分の将来のための貯蓄ですから、現在の家計に影響のない範囲でできる限りの額を拠出するに越したことはありません。しかし税制優遇措置があることに伴って、RRSPの拠出には年間限度額が設定されています。
1. あなたの前年の所得額の18%の額

2. 毎年CRAによって設定される年間拠出限度額 (下記参照)
を比べて
少ない方の額
= あなたのその年のRRSP拠出限度額

設定年間拠出限度額 (間近5年)
2020年2021年2022年2023年2024年
$27,230$27,830$29,210$30,780$31,560
(年毎にインフレ率等に応じて調整)

少し掘り下げてみましょう。
2023年の分のRRSPへの拠出限度額を例にとってみるとします。
  • 前年2022年の所得額が例えば$85,000だったとすると、その18%は$15,300
  • 2023年の設定限度額は$30,780
  • $15,300の方が断然少なくなりますので、結果2023年分の拠出限度額は、$15,300となります。
もう少し掘り下げてみましょう。
CRAが示す毎年の設定限度額というのは、かなり高めに設定されていることがわかると思います。例えば同じ2023年を例にとると、前年2022年の所得額が$171,000以上となって初めて、その18% (=$30,780.00) が設定限度額を上回るということになります。つまり、相当の高額所得者となって初めて設定限度額の方が適用されるケースがみられるということになるので、おそらく多くの人にとっては「前年の所得額の18%」の方が適用される場合がほとんどでしょう。

未使用限度額の繰り越し
ある年において、その年の年間拠出限度額いっぱいまでの拠出をしなかった場合 (つまり拠出額にまだ空きがあった状態でその年の分への拠出期限が終わった場合)、その使われなかった分の額は、翌年以降へと繰り越しすることができます。

拠出限度額の確認

さて、上記の通り拠出限度額の割り出し方 (割り出され方) を示してきましたが、ことRRSPに関しては、それらはあくまで知識として理解しておく程度で済ませて問題ありません。なぜなら、最終的かつ正確な拠出限度額は、毎年CRA側が「Notice of Assessment」を通じて、それを示してくれるからです。
タックスファイリング」の項でも示されている様に、ある年においてタックスファイリングを適切に行いそれが無事終了した時点で、CRAから「Notice of Assessment」という書類が発行されます。その書類下部にはRRSPのセクションがあり、当該年分の拠出限度額、合計拠出額および未使用額等の計算が示され、翌年のRRSPへの拠出限度額がはっきりと明記されます。
*CRAサイトのMyAccountページを通じても、この額は常に簡単に確認することができます。

当該年の拠出限度額を常に正確に把握し、限度額を超えて拠出をすることのないようにしましょう。またこの額の変動にも毎年注意を払い、拠出額 (Group RRSPなら毎給与からの捻出額) の調整などに利用しましょう。