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カナダでの子育て: 子供手当て: Canada Child Benefit (CCB)

(情報更新、加筆/修正、体裁修正等を含む)

カナダには、いわゆる「児童手当/子供手当て」に相当する、子育て資金支援制度があります。
2016年6月まで実施されていた
  • Universal Child Care Benefit (UCCB)
  • Canada Child Tax Benefit (CCTB)
  • (低所得世帯向け) National Child Benefit Supplement (NCBS)
に代わり、2016年7月からは、
  • Canada Child Benefit (CCB)
として一本化された制度となりました。

Canada Child Benefit (CCB)

Canada Child Benefit (CCB) では、18歳未満の子供を持つ家庭に対し、前年のタックスファイリング時の申告世帯収入に応じて、毎月(毎20日)決められた額が支給されます。
支給額 (2023年7月~2024年6月分) は、
  • 6歳未満の子供一人につき、年間最大 $7,437 ($619.75/月)
  • 6歳から18歳未満の子供一人につき、年間最大 $6,275 ($522.91/月)
となり、世帯収入が年間$34,863以下の場合、上記の最大額が適用されます。
「支援が必要な家庭により多くの支援額を..」という名目設定であるため、世帯収入が多ければ多いほど支給額は少なくなります。支給額の計算方法は Canada.ca のサイト内にて公開されていて、目安としては、世帯収入$100,000で支給額はおおよそ最大額の40%程度となります。
前年のタックスファイリング時の申告世帯収入に応じて年間の支給額が決まり、ファイリングが終わった後の7月を年度の開始月として翌6月までの一年間、同額が支払われます。ファイリングした申告世帯収入が前年より多ければ、7月からの支給分より支給額が少なくなり、申告世帯収入が前年より少なければ、7月からの支給分より支給額が多くなるというサイクルになります。
CCBは非課税
以前の制度では、UCCBは収入扱いとなるため課税対象、CCTBは非課税、という扱いでしたが、一本化されたCCBは完全に非課税での支給となります。

受給資格

Canada Child Benefit を受給するには、以下のすべての条件を満たしている必要があります。
  • 該当する子供と住居を共にし、またその子供は18歳未満である
  • 該当する子供の生活の世話をしている/保護者である
  • (タックスファイリング時の定義において) カナダ居住者である
  • 自身もしくは配偶者が、カナダ市民もしくは永住権保持者 (permanent resident) である。もしくはパーミット所持者としてカナダに過去18ヶ月にわたって滞在し、19ヶ月目においてもパーミットが有効な状態である

申請方法

過去にUCCBやCCTBへの申請を既に済まし、それらの受給を既に受けている場合は、Canada Child Benefit に際し新たな申請手続き等を行う必要は一切ありません。2016年6月までと同じ受給方法で、UCCBやCCTBに代わって引き続きCCBの支給が行われます。

新たに子供が生まれた際、または永住権の取得などで、新たに上記の受給資格を満たす環境となった場合などに、新規の申請を行うことになります。
  • 新たに子供が生まれた場合は、SINの申請などの各種手続きに伴って、「Automated Benefits Application」という手続きに関する案内が提供されます。この案内にしたがって手続きを完了することで、CCBの申請を完了することができます。
  • 移住や永住権の取得などに伴う新規申請の場合は、CRAのwebサイト内、My Accountページを介して申請を行うか、手書きの申請書類「RC66」を郵送にて送ることによって、CCBの申請を完了することができます。
申請から実際の支給開始までには、少し時間がかかることもあるでしょう。しかしその場合でも、しっかりと受給資格がある月にまでさかのぼって全額支給されるので、あせることなく支給日(毎月20日-休日の場合は前平日)を待ちましょう。

一度支給が始まってからは、「毎年タックスファイリングを行う」ことと、それに伴い「受給資格や支給額に影響を与えうる個人情報を、迅速に申告/更新し続ける」ことが、継続受給の条件となります。例えば離婚による親権の変更、あるいは永住権の放棄や永久帰国など、受給資格を失いながら支給を受け続けている状況が発生した場合などでは、支給額の返還を求められる場合もあります。制度をしっかりと理解し、正しい理解の下に支給を受けるよう心がけましょう。
州からの追加手当て
州によっては、州独自の子供手当て制度を実施していて、独自の計算によって割り出された給付金が CCB の給付額に上乗せされて給付されている場合があります。多くの場合、別々に振り込みが行われるのではなく、単純に CCB と合算された額が「Canada Child Benefit - CANADA」としてまとめて給付されます。お住いの州で独自に実施されている子供手当て制度を調べてみましょう。
  • ブリティッシュコロンビア州: B.C. Early Childhood Tax Benefit (BCECTB)
    (2020年10月からは B.C. Child Opportunity Benefit (BCCOB))
  • オンタリオ州: Ontario Child Benefit (OCN)
    ..など

まとめ

新制度により、多くの場合、CCBの支給額はそれまでのUCCB/CCTBの支給額よりも多くなっていることでしょう。これまでちょっとした家計の足しになる程度の支給額だったのが、それなりに家計に影響を与える程度までに支給額が増えた場合もあるでしょう。制度が続く限り、最大18年間にわたって毎月、しかも非課税で支給されるCCBは、大変価値のあるものです。当然、「子育てに関する支出にしか使えない~」といった制限などは一切ありませんが、例えばRESPへの拠出分に使用するなど、できれば支援の本来の目的通り、子供の生活あるいは将来ための支出に使われるのが好ましいでしょう。


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